ゴルフ会員権の時価評価サービス
日経ゴルフでは、企業が保有されているゴルフ会員権の時価相場をお調べ致します。 関東ゴルフ会員権取引業協同組合が作成するゴルフ会員権の取引相場を基にし、正確な・信頼性の高いゴルフ会員権の時価評価サービスを提供しています。
ゴルフ会員権の時価評価(時価会計・減損会計)について
時価評価(時価会計・減損会計)とは、企業が保有している資産(ゴルフ会員権など)を正しく財務諸表に反映させる制度(2005年度からすべての上場企業に導入)です。
時価評価(時価会計・減損会計)とは、企業の持つ資産(ゴルフ会員権など)の価値が下落し、その資産(ゴルフ会員権など)としての回収可能額が帳簿価額を下回った場合に、 その帳簿価額を実態に即した価格まで減損させることにより、その回収可能性を反映する会計手法のことをいいます。
法人所有のゴルフ会員権決算時の会計処理と税務
法人所有のゴルフ会員権決算時の会計処理と税務
1.ゴルフ会員権の会計基準
株式会社の会計基準は、会社法において『一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする』と規定されています(会社法431)。
金融商品につき一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行は、下記のとおりです。
適用対象 | 会計基準 |
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金融商品に係る会計基準 平成11年1月22日 企業会計審議会 |
上記以外の株式会社(中小企業) | 中小企業の会計に関する指針 平成18年4月25日 日本公認会計士協会 日本税理士会連合会 日本商工会議所 企業会計基準委員会 |
2.減損会計と時価会計の相違点
減損会計 | 時価会計 |
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企業の持つ資産の価値が下落し、その資産としての回収可能額が帳簿価額を下回った場合にその回収可能性を反映する会計手法 => 評価損が生じるときのみ適用 |
一部の金融資産を、期末時点の時価で再評価する会計手法 => 常に時価で評価 |
会計では、関東ゴルフ会員権取引業協同組合が日々作成する業者間の取引相場表及びその相場表を元にしてゴルフ会員権の売買業者が公表している「ゴルフ会員権の相場表」をもって、 一般に入手可能で一定の信頼性が確保されているゴルフ会員権に関する時価としています。 ただし、ゴルフ会員権の相場は、価格の信頼性と実現可能性を確保できるほどの市場の厚みがないため、上場株式とは同列には論じることはできません。そこで時価会計の対象とはならず、減損会計の対象になります。 |
3.ゴルフ会員権の会計処理
金融商品の会計に 関する実務指針 |
(金融商品の会計に関する実務指針138)施設利用権を化体した株式及び預託保証金(預託金)であるゴルフ会員権等は、取得価額をもって計上する。 それらに時価があるものについて著しい時価の下落が生じた場合、又は時価を有しないものについて当該株式の発行会社の財政状態が著しく悪化した場合には有価証券に準じて減損処理を行う。 また、預託保証金(預託金)の回収可能性に疑義が生じた場合には債権の評価勘定として貸倒引当金を設定する。 |
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中小企業の会計に 関する指針 |
(中小企業の会計に関する指針38)
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留意点 |
(金融商品会計に関する実務指針135)施設利用権を化体した株式及び預託保証金であるゴルフ会員権等は、取得価額をもって計上する。それらに時価があるものについて著しい時価の下落が生じた場合、又は時価を有しないものについて当該株式の発行会社の財政状態が著しく悪化した場合には有価証券に準じて減損処理を行う。 また、預託保証金(預託金)の回収可能性に疑義が生じた場合には債権の評価勘定として貸倒引当金を設定する。 |
4.法人税法上の取扱い
①株主会員制の場合
株式会社の会計基準は、会社法において『一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする』と規定されています
(会社法431)。
金融商品につき一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行は、下記のとおりです。
原則 | 株主会員制のゴルフ会員権の場合、相場の有無にかかわらず、税務上有価証券(非上場有価証券)として取扱われ、原則として評価損の計上は認められません(法法33①)。 |
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例外 | 下記の要件のいずれかを満たしている場合には評価損の計上が認められます (法令68①ニロ,法基通9-1-9)
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留意点 |
金融商品会計に関する実務指針135)施設利用権を化体した株式及び預託保証金(預託金)であるゴルフ会員権等は、取得価額をもって計上する。 それらに時価があるものについて著しい時価の下落が生じた場合、又は時価を有しないものについて当該株式の発行会社の財政状態が著しく悪化した場合には有価証券に準じて減損処理を行う。 また、預託保証金(預託金)の回収可能性に疑義が生じた場合には債権の評価勘定として貸倒引当金を設定する。 |
②預託金会員制の場合
原則 | 預託金会員制のゴルフ会員権の場合、入会金は単なる保証金となるため、税務上評価損の計上はできません。 |
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例外 | 下記の要件を満たしている場合には貸倒損失及び貸倒引当金の対象とすることができます(法基通9-7-12(注)、下記(4)参照)。
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理由 |
預託金会員制の性格は、①優先的施設利用権と②預託金返還請求権の2つを合せ持つと言われています。 しかし、退会の届出を提出した場合や破産手続開始の決定等により優先的施設利用権が消滅したときは、金銭債権である預託金返還請求権が顕在化するため、貸倒損失及び貸倒引当金の対象とすることができます。 |
留意点 |
民事再生手続開始の申立てが行われた場合は、再生手続きは再建型の倒産手続であり、会員契約は通常その手続きの中では解除されないことから、 まだ優先的施設利用権が顕在化しているため、貸倒引当金の設定はできません。 しかし、民事再生手続開始の決定等により預託金の一部が切捨てられた場合には、優先的施設利用権の有無にかかわらず、 切捨てという明らかな事実をもって金銭債権たる預託金返還請求権が顕在化したとみなし、貸倒損失として処理することはできます。 |
5.貸倒損失処理・貸倒引当金の設定
①貸倒損失(法基通9-6-1)
上記(3)法基通9-7-12(注)の場合において、顕在化した預託金返還請求権の一部又は全部につき下記の事実が生じている場合等には貸倒損失の計上が可能です。
債務者 | 債務者 | 事由 | 金額 |
---|---|---|---|
経営会社 | 会社更生法もしくは金融機関などの更生手続の特例などに関する法律 | 更生計画の認可決定 | 切捨額 |
ゴルフ場 | 民事再生法 会社法 |
再生計画認可の決定 特別清算開始の決定 |
②貸倒引当金(法令96①三)
上記(3)法基通9-7-12(注)の場合において、顕在化した預託金返還請求権の一部又は全部につき下記の事実が生じている場合等には貸倒引当金の設定が可能です。
債務者 | 法令法 | 事由 | 金額 |
---|---|---|---|
ゴルフ場 経営会社 |
会社更生法もしくは金融機関などの更生手続の特例など | 更生手続開始の申立て | 金銭債務の額(注)×50% |
民事再生法 会社法 |
再生手続開始の申立て 特別清算開始の申立て |
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上記に揚げる事由に準ずるものとして財務省令で定める事由 | 手形交換所(手形交換所のない地域にあっては、その他地域において手形交換業務を行う銀行団を含む)による取引停止処分(法規25の3) |
(注)取立て等の見込みがあると認められる下記の金額は除きます。
- その個別評価金銭債権の額のうち,その債務者から受入れた金額があるため実質的に債権とみられない部分の金額
- 担保権の実行により取立ての見込みがある部分
- 金融機関又は保証機関による保証債務の履行により取立ての見込みがある部分
- 法人が債務者から他の第三者の振り出した手形(債務者の振り出した手形で第三者の引き受けたものを含む。)を受け取っている場合のその手形の金額に相当する金額 等
6.会計と法人税の差異
①貸倒損失(法基通9-6-1)
会計と法人税法の差異をまとめると下記のとおりです。したがって、法人税の申告にあたっては別表調整が必要になります。
会計 | 法人税法 | |||
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株主会員制 | 要件 | 時価あり | 著しい時価の下落 | 発行会社の財政状態が 著しく悪化 |
時価なし | 発行会社の財政状態が 著しく悪化 |
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処理 | 減損対象 | 評価損対象 |
7.例題
①株主会員制のゴルフ会員権
会計と法人税法の差異をまとめると下記のとおりです。したがって、法人税の申告にあたっては別表調整が必要になります。
帳簿価額1000万円、額面金額500万円、ゴルフ会員権 売買価格300万円、発行法人の資産状態から見た価額400万円の場合(法定実効税率40%)
会計上 |
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法人税申告書 別表紙上の調整 |
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②預託金会員制のゴルフ会員権
会計と法人税法の差異をまとめると下記のとおりです。したがって、法人税の申告にあたっては別表調整が必要になります。
帳簿価額1000万円、預託金600万円、ゴルフ会員権 売買価格300万円、その他ゴルフ場経営会社に特段の事情が無い場合(法定実効税率40%)
会計上 |
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法人税申告書 別表紙上の調整 |
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法人所有のゴルフ会員権決算時の会計処理と税務
ゴルフ会員権の取得時と所有時の法人税法上の留意点は下記のとおりです。
なお、給与として扱うものが法人の役員に対するものであれば、臨時的な給与として損金不算入になる可能性がありますので注意が必要です。(法基通9-7-11~9-7-13)
入会金 | 法人 会員 |
① 記名式の法人会員である | 給与 |
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② 名義人たる特定の役員または使用人が専ら法人の業務に関係なく利用 | |||
上記以外 | 資産 | ||
個人 会員 |
① 無記名式の法人会員制度がない | 資産 | |
② その入会金を法人が資産に計上している | |||
③ その入会が法人業務の遂行上必要である | |||
上記以外 | 給与 | ||
名義書換料 | 購入に際して他人の名義を変更するための費用 | 資産 | |
上記以外 | 交際費 | ||
年会費 年決め ロッカー料等 |
入会金が資産とされる場合 | 交際費 | |
入会金が給与とされる場合 | 給与 | ||
プレー代 | 法人業務の遂行上必要と認められるもの ※入会金が資産に計上されているのかどうかは関係ありません |
交際費 | |
上記以外 ※入会金が資産に計上されているのかどうかは関係ありません |
給与 |
ゴルフ会員権の消費税法の留意点
ゴルフ場が発行するゴルフ会員権には株主会員制のものと預託金会員制のものとがありますが、基本的にはその形態の違いにより消費税の課税関係が異なることはありません。
1.ゴルフ会員権の取得時の課税関係
ゴルフ会員権業者からl購入した場合の購入価格 | 課税仕入れ | |
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ゴルフクラブから 直接購入した場合 |
出資金または預託金部分 | 不課税 |
入会に際して出資金や預託金とは別に収受する入会金などで会員等の資格を付与することと引換えに収受する返還を要しないもの | 課税仕入れ | |
名義書換料等 | 課税仕入れ |
2.ゴルフ会員権の保有時の課税関係
プレー代 | 課税仕入れ |
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ロッカー使用代 | |
年会費 |
3.ゴルフ会員権を譲渡した場合の課税関係
ゴルフ会員権を譲渡した場合の譲渡価格 | 課税売上 |
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